今回は、JAXAのロケット技術を応用された断熱塗料ガイナのお話です。

これは高温多湿の熊本に最適な塗料だと思います。
さて、TVやたくさんのWebサイトで取り上げられている『ガイナ』ですが・・・ 今回は数ある断熱遮熱塗料の中で『なぜガイナなのか?』のお話です。

お問い合わせでよく『ガイア』と間違えられることが多いですが、正しくは『ガイナ』です。

まず最初に・・・一番多い質問を頂いております『遮熱と断熱』についてご説明致します。

  • 太陽の熱を遮る『遮熱塗料』
  • 熱を遮断する『断熱塗料』

夏の暑さを軽減させたいとお考えでしたら「どちらがいいの?」と悩まれていらっしゃるのではないでしょうか。
猛暑日、室内でも相当な温度ですが屋根の温度といえば・・・

日中76度、熊本の屋根はここまで温度が上がっています。
夏の太陽は物凄いエネルギーですね。

そもそも太陽の熱って?

熱の伝わりは固体であれば・・・例えば金属などは一部を温めると、金属を伝って熱が広がります。
液体でも同じです。空気も暖かい風が移動します。
では太陽は・・・宇宙は真空です。
液体や固体、気体のようにはいきません。

それでも熱が伝わるのは『放射』という現象が起こっているからなのです。
身近なものでは炭火などがそうですね、外でバーベキューをしますと、 炭火の熱はどんなに風が強くても手や顔に届きます。
これは空気を伝っているのではなく電磁波によって伝わってくるからなのです。

電磁波は真空でも伝わります。これが地球が暖かい理由になります。
電波も電磁波ですが、私達が見ている光も電磁波の一種、紫外線に赤外線もそうですね。
この中の赤外線こそが熱の正体になります。

とはいえ、赤外線はそのものが熱のエネルギーではなく光のエネルギーですので熱くはありません。
物に当たって熱になるのですが、この時3種類の動きをします。

  • 反射
  • 吸収
  • 透過

物に吸収されたエネルギーは分子の運動を起こし、振動して摩擦によって熱が発生します。
これこそが赤外線加熱となります。熱はこうやって生まれています。
赤外線も、近赤外線、中赤外線、遠赤外線にわけられますが・・・とりわけ近赤外線に着目して
対策されているのが『遮熱塗料』となります。

子供の頃、虫メガネで紙を焼く実験をしましたね。
白い紙に鉛筆で塗りつぶした黒いところがよく燃えました。
白より黒が熱くなる。
これは黒が赤外線を多く吸収しているからなのです。

塗料も黒が問題となり、顔料に使われています『カーボンブラック』が最も多く吸収します。
白が遮熱性能が高いというのはわかりますが、屋根に塗るとなると・・・
汚れやすさや見た目の問題が出てきます。
つまりこのカーボンブラックの問題を解決したのが『遮熱塗料』というわけです。

今では各社からカーボンブラックに変わる製品や、
カーボンブラックそのものをコーティングした製品が出てきています。
工場、倉庫等、とにかく夏の暑さをどうにかしたいとお考えでしたら遮熱塗料で決まりですね。
ここで疑問に思われるかもしれません。

「夏の日差しを遮るのは分かったけど・・・冬の太陽の熱も遮るのでは?」

弊社が断熱塗料にこだわっている理由がそこにあります。
冬の暖房費の問題ですね。これが上がってしまう可能性です。
もちろん、新築時よりしっかりとした断熱材が使われている住宅では問題ありませんが、
品質の良くない断熱材が使用されていたり、

断熱材そのものが入っていない住宅では遮熱塗料をオススメしておりません。
夏のエアコン代は下がりまずが一年を通してみれば、光熱費がかわらない、
もしくは上がってしまうという事になりかねません。

熱を遮断する断熱塗料

それでは『断熱塗料』は・・・外と室内の熱を遮断しますので冬にも効果を発揮します。
断熱の考え方は、洋服で例えるとわかりやすいと思います。
羽毛や羊毛など、空気の層を作って外気を遮断しまととても暖かいです。
塗料の中に空気の層を作って外気を遮断するのが断熱塗料となります。

洞窟は夏涼しく、冬暖かいですね。
あれは外気を遮断して年中一定温度だからなのです。
つまり夏と冬、両方に効果を発揮するのが断熱塗料というわけです。
断熱塗料も各社から色々なものが出ています。

その中でもJAXAの断熱技術は、やはりレベルが違います。
それでは『断熱塗料ガイナ』の実力を・・・

■ドライアイスが入った缶を素手でつかめます。

内部温度マイナス40.1度。通常なら触れない温度です。
私も最初見た時は信じられませんでしたので自社で缶にガイナを塗って実験してみました。
それが上の画像です。
こんな低温でも触れてしまうのですから、さすがはJAXAのロケット技術です・・・圧巻です。

ガイナの成分について

ガイナは空気の層を作るのに『セラミック』が使用されています。
電子顕微鏡で見てみますと・・・

この粒がセラミックで、塗膜の表面に集まるように設計されています。
粒の中は空洞になっており空気の層を作っています。

特性の違う数種類のセラミックが使われていますが、その数、塗料全体の60%以上。
塗った後、塗膜の状態では80%がセラミックとなります。

塗料の中に添加して『断熱塗料』と謳っているものとは一線を画します。
このセラミックも質の悪いものは選別され弾かれて作られています。
割れていたらなんの意味もありませんからね・・・。
品質の高さもガイナの特徴です。

なにより塗装店として驚くのは60%以上のセラミックを使っていながら
塗料として液体にできた事ですね・・・凄い技術です。
ガイナは『断熱塗料』というより『塗る断熱材』と言ったほうが適切ですね。

塗る断熱材の実力

では暑さには・・・
カーボンブラックへの対策もされています。つまり遮熱塗料の性能も含んでいるという事です。
それだけではありません、『暑さ』対策もできていますが『熱さ』にも対応しているのです。

素手で触れるのですから・・・物凄い断熱性能です。
鉄板をバーナーで燃やしても反対側は素手で触れます。

ガイナはここまでの性能を持っているんです。

過酷な条件下でも実証済み

寒冷地から灼熱の地域までを数ヶ月で航海する輸出用自動車運搬船に使われ、
中で働く作業員の効率を大幅に改善されています。

シンガポールなどを通る時は中は60度から65度 それが38度から40度に。
人工衛星を運ぶロケットの断熱技術からすればこれは納得です。

他にも騒音対策や結露防止等の性能を含んでいます。
ガイナを屋根に塗装して、「雨が降り始めたのが気づかなくて洗濯物が濡れちゃいます」
というクレーム?を頂いた程。洗濯の際にはご注意ください。
室内に塗りますと結露対策もできます。

珪藻土等の塗装をお考えでしたらガイナも検討されてみてください。

ではなぜこんな高性能な塗材がスタンダードになっていないのか

これだけの高性能塗料ですから、もっとたくさんの建物に塗装されていてもいいはずですが・・。

価格の問題

セラミックをふんだんに使用したJAXAの技術ですから通常塗料より高額になってしまいます。
それでも弊社がオススメするのは
『次の塗替えを一般塗料で塗装してもガイナの断熱性能は維持される。』からです。
空気の層を作っているのはセラミック。

陶器等もセラミックですので熱に強い事は広く知られています。
耐久性についてもすでに縄文式土器が証明してくれていますね。
遮熱性能は新しく塗った塗料にも由来しますので効果が少し落ちますが、
一度の塗替えで断熱性能を維持できるというのは大きいです。

ツヤ消し仕上げしかない

残念ながらピカピカ輝く仕上げはありません。

濃い色が無い

ガイナは前にもご説明しました通り「遮熱塗料」の性能も持っています。
その為、濃い色は作られていないのですが・・・
将来、新たな顔料の登場で濃い色が出てくれれば嬉しいですね。

塗装職人が使いたがらない

これが一番の原因ではないでしょうか。

全体の60%をセラミックが占めていますので普通の塗料の塗り方ではキレイには仕上がりません。
一度使って塗りにくさから仕上がりが悪くなり「こんな塗料、2度と使わない」という声もたくさん聞いています。
実はそんな事ないのです。正しい施工を行えば凄くキレイに仕上がるのですが・・・
そのために製造元が行っている講習、勉強会があります。

誰でも買えるガイナですが、『性能をフルに引き出させる施工』
『塗替え塗装としてキレイに仕上げる』事をして、初めて『塗る断熱材ガイナ』が完成します。

まとめ

ガイナは

  • 太陽光線からくるエネルギーを跳ね返す力
  • 熱そのものを保持する力

両方を兼ね備えています。

今でこそ断熱塗料世界シェアNo1のガイナですが、開発時には相当な苦労があったみたいです。
なんでも、有名建築家の先生に『そんな薄さで断熱できるか!帰れ!』と灰皿を投げつけられてしまったとか・・・。
そりゃそうですよね、厚さが重要な断熱材をわずか1ミリ以下でやってしまう・・・
それまでの常識では考えられない事なのですから。

終わりに・・・

もしセラミックの質を落としたり量を少なくして価格を抑えていたならもっと早く普及していたかもしれません。
そして性能の低さからもう無くなっていたと思います。

ガイナの生みの親、石子社長の言葉。

『子や孫に誇れる仕事をする。』

わたしも子を持つ親として、この言葉ほど説得力のあるものはありません。
ガイナはこれから先も品質を落とす事は絶対に無いでしょう。

弊社の考えは

『自分が納得して惚れ込んだ塗料しか使わない』

ガイナはこれから先もずっと弊社の主力商品として、高温多湿の熊本を快適に暮らせる街へ変えていきます。