“塗装工事は何月頃にお願いしたら良いですか?”とよく質問を頂きます。結論から申し上げれば塗料の性質や性能を上手に発揮する為の条件を満たせば、1年中施工可能です。

 

塗料メーカーからの施工上の注意事項

 

100%全てを確認した訳ではありませんので絶対とは言えませんが、各塗料メーカーからの塗料製品の施工上の避けて欲しい気候条件が下記内容で記載されています。

 

■塗装場所の気温が5℃以下、湿度85%以上である場合、又は換気が十分でなく結露が考えられる場合、塗装は避けてください。

■降雨、降雪のおそれがある場合、及び強風時は塗装を避けてください。

 

塗料の性能を活かす為、施工不良が起きない為の注意事項が、実際はかなりのボリュームで記載されていますが、その中から気候条件に基づくものを抜粋しています。ここだけを見て考えると梅雨時期と雪の季節は難しいように思いませんか?しかし、現実は、施工が出来ないシーズンではなく気候条件の日があり、それは工期が延びやすい時期だとお考えください。

 

塗装するのに条件がある理由

 

塗料の性質が関係している為、気温と湿度、雨、雪等が塗装工事に影響するのです。塗料は塗った後に乾燥し、硬化して“塗膜”となり、はじめて塗料の性能が発揮出来ます。この塗膜を形成するのに必要な乾燥、硬化までの時間は塗料によってまちまちですが、この時間が非常に大切になります。塗料の性質に関してはこちらをご参考にしてください。(→塗料の基礎知識

 

塗料を活かすベストシーズンはある!

 

塗装工事にはベストシーズンがありますが、それは塗料の特殊機能を発揮させる為のベストシーズンです。もっと最適な表現をするならば、ベストタイミングと言った方が、しっくりくるかもしれません。特殊機能は目的を持って使うものです。しかし、目的の効果を発揮させたい時に塗った直後から結果が出るものと、時間が経過しないと発揮出来ないものがあります。

 

ベストタイミングを考えて工事を勧める塗料の一つは、暑さ寒さを跳ね返し室内温度を快適に保ちやすくしてくれる断熱塗料です。この断熱塗料は性能上、効果を発揮する為の成分が完全な状態になるまでに1~2ヶ月程かかります。暑さ対策をメインで考えるなら、暑くなる1ヶ月以上前には施工しておきましょう。寒さ対策の場合も同じですが、こちらは季節柄乾燥までに要する時間がかかるので、寒くなる2ヶ月以上前が施工のベストタイミングです。

 

もう一つタイミングを考えておきたい塗料は、結露防止目的の塗料です。結露が出る1ヶ月以上前までに施工するのがベストタイミングです。

 

最短・最速よりも最適な仕上がりを!

 

塗料メーカーからの注意事項にも書きましたが、工期が延びやすい時期があります。これをどのように捉えるかは人それぞれですが、天気だけは私達の都合ではどうにも出来ません。一番良い方法は、どの時期も工期は少し余裕を持ってお考えください。塗装職人は常に以下の事を心がけています。

 

  • 塗料が最大限の効果を発揮出来るようにする事
  • 施工不良が起こらないようにする事

 

ですので、もし予定していた工期が延びた時は“しっかりと仕事をしている”と受け取って頂けると幸いです。そして大事なことですが、天候不良により工期が延びた場合は、延長料金は発生しませんのでご安心ください。

 

まとめ

 

■塗装工事は1年中施工出来る

■気温が5℃以下、湿度85%以上、降雨、降雪、強風の時は工事を避けた方が良い

■断熱塗料は目的の1~2ヶ月以上前、結露防止は1ヶ月以上前の施工がベストタイミング

■工期は少し余裕を持って考えてください

(※指定の日数で工事を終わらせる事が良い仕事とは限りません)

■天候不良が原因で工期が延びた場合、別料金の発生はありません

 

しかし、現実は気候の良い時を選んで施工の依頼が殺到する時期があります。気候が良いからと割高になる事はありませんが、混み合ってしまうのでご希望の開始日に合わせる事が難しくなる事があります。又、実際の工事では人気のある春は天気が変わりやすく、秋は台風シーズンなので、工期が延びる事もよくあります。塗装工事はシーズンで選ぶものでは無く、塗装の塗り替えタイミングが来たら行うものだという事をお忘れなく。