重要な塗料選び

塗装業者を選ぶ事と同じ位に大事な事は、塗料選びになります。おさらいになりますが、塗装工事では家を保護し、美しく保ち、目的と要望に応じた特殊機能を付加するという大きな3つの目的があります。塗料を選ぶ時はその3つ目的をなるべく予算内で果たす事が重要になります。実際にお見積もりの段階で、お施主様から“この系統のあの塗料をお願いします”と言われる事はほとんどありません。塗装業者の提案の中からお施主様が何を選択される場合がほとんどになります。

私が塗料を提案させて頂く時は、お施主様の悩みや要望に沿った物である事は勿論ですが、ご予算と塗装する素材や環境や状況に合わせて塗料をご提案させて頂いております。しかし、提案された塗料が一体どんな特長を持った塗料なのか分からない、他にどんな塗料があるのかを知らない状態のままですと、施工が終わった後に後悔してしまう原因にもなりかねません。全てを覚える必要はありませんが、どんな種類があり、どんな特徴があり、何を目的とするのかを決める参考になれば幸いです。

塗料の種類一覧

どの塗料にも、メリット、デメリット、そして耐用年数がございます。耐用年数に関しては、環境により異なってきますので、目安としてお考えください。耐用年数は塗膜の劣化が起こり、次の塗り替えが必要になるまでの期間の事を指します。

樹脂の違いよる種類

塗料の種類 耐用年数 メリット デメリット
アクリル系 3~5 ・安い ・色褪せが早い ・チョーキングしやすい
ウレタン系 5~8 ・密着性がある ・耐候性、耐水性が良い ・変色しやすい ・アクリル系より長持ちするけれどシリコン系より劣る
シリコン系 8~10 ・耐久性、コストパフォーマンスが良い ・現在、主流として使われる塗料の為、各メーカーの開発が進みバリエーションが豊富 ・性能に幅があり、価格のばらつきがある
フッ素系 15~20 ・寿命が長い ・汚れを徹底して防ぐ ・耐候性に優れる ・価格が高い

機能性塗料、高性能塗料

遮熱・断熱系 15 ・遮熱性・断熱性に優れる ・耐久性や汚れにくい ・種類によっては遮音 防音効果有り ・価格が高い ・製品によっては色の幅に制限があったり、艶消し仕様しか選べないものもある
無機塗料 15 ・高耐候性※ ・低汚染性 ・艶が長持ちする ・価格は高め  

※高耐候性とは、屋外での耐久性が高い事です。

耐用年数と機能と価格

塗料の系統の中でも種類は細かく分かれますし、更に各メーカーさんで商品名も違います。しかし、一つだけ言える事は、耐用年数と価格はだいたい比例しています。また、特殊な機能性を持った塗料もその価値に合わせて価格が上がっています。ここで、大事な事は予算内で最大限に目的に近づく事なのか、予算を少し上回っても目的を達成させたいのかを判断していく事です。各塗料の細かい特徴などはまた別の機会に詳しくご説明致します